新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点からリモートワークが主流になった企業も多い現代では、社員の健康状態の把握は重要な仕事の一つであるといえます。
社員の健康状態の把握は、会社の健康状態と言い換えられ、疎かにしてはなりません。
特に、コロナ禍ではリモートワークで普段あまり会わない人も多く、健康状態の把握が難しくなります。
そんな中、「健康管理システム」を導入するとリモートワークであれ、社員の健康状態が可視化できます。ストレスチェックやさまざまな観点から社員について理解ができ、いち早く対処することが可能です。
体調が優れない人を気にかけることができるので、業務に支障をきたす可能性も低くなります。
今回はそんな「健康管理システム」について、どのような特徴があるのかを詳しく解説し、またおすすめの健康管理システムをご紹介します!
健康管理システムとは?
健康管理システムとは、その名の通り従業員の健康を管理し、またそれに関わる業務を行うシステムのことです。
健康診断での情報を管理できたり、定期的なストレスチェックなどによって従業員の健康状態を可視化して把握できます。
また、2015年の法改正によりストレスチェック制度が導入されたことにより、健康管理システムを導入し注力する企業が増加しました。
年に1回の健康診断も報告書を作成し提出しなければなりませんが、簡単には作れず煩雑な作業になります。
その点で、健康管理システムを導入することによって一元管理が可能となり手間をかけずに報告書の作成・提出を行えます。
健康管理システムの導入メリット
勤務状況と健康状態を把握できる
健康管理システムの機能により、各社員の勤務時間や業務内容などの情報からどのくらい健康リスクがあるのかを自動判定して管理できます。
このシステムにより、特に健康リスクが高い社員を優先的にフォローでき事前に対処できます。
ただ単に健康状態を把握するのではなく、行なっている業務や勤務時間と照らし合わせて健康リスクを把握できる点において、より正確且つ気にかけやすい点で大きなメリットとなります。
提出書類の作成や管理ができる
年に1回行われる健康診断など、社員の健康状態を知らせる提出書類の作成は膨大な時間がかかります。
労働基準監督署などに提出する書類の作成にかかるコストを健康管理システムを導入することによって大幅に削減できます。
提出状況なども表示されるので、提出漏れの心配もなく業務の効率化を図ることができます。
従業員の生活習慣を改善
健康管理システムの機能として、健康を維持するための行動計画や自身の生活習慣の把握や記録が行え、従業員が自発的に健康を維持することができます。
これにより、普段では気付かない自分の良くない生活習慣や健康状態を改善し、会社でのパフォーマンスを発揮できる機会にもなります。
おすすめの健康管理システム
1.『Carely』
出典:Carely
2020年の「第5回HRテクノロジー大賞健康経営賞受賞」の実績や継続利用率99.4%を誇る健康管理システムです。
『Carely』の特徴
健診クリニックの予約や健診結果、労働基準監督署への報告、健保補助申請をペーパレス化し、保健指導、健診機関への支払い代行まで業務サポートが可能になります。
人事担当者の負担を減らすことができる機能の一つに、健康診断をweb予約できる機能があります。
これに関して人事担当者は介入せず、従業員が自身で医療機関とやりとりし、予約まで完結させることができます。
申し込みなどは2週間ほどかかる業務ですが、この機能を使えば最長3日で予約確定まで進めることができます。
また、従業員の健康診断予約状況や受診状況、再診などもダッシュボードで管理できます。
業務の自動化でスムーズな健康診断を実現し、人事労務が健康診断に使う時間を削減します。
『Carely』の料金・プラン
スタータープラン | クラウドプラン | 初期費用 | 1,000円/従業員 | 1,000円/従業員 |
---|---|---|
基本料金 | 150円/従業員 | 200円〜/従業員 |
健康情報の一元管理 | ◯ | ◯ |
健康診断のWEB予約機能 | ◯ | × |
ストレスチェックの実施や過重労働管理 | × | ◯ |
※その他健康管理に必要なオプションが用意されています。詳しくはHPをご覧ください。
2.『HM-neo』
出典:HM-neo
NTTテクノクロス株式会社が提供しており、30年の実績を持つ健康管理システムです。
『HM-neo』の特徴
『HM-neo』は、健康診断の結果を管理できるだけでなく、特殊業務歴や既往歴など従業員のさまざまな情報を管理することができる総合健康管理システムです。
年齢や業務に応じた健康診断の計画設定、特殊業務歴や取扱い物質の管理、健康診断結果の管理と結果報告の実施までを一つのシステムで完結できるので人事担当者の負担が格段に減ります。
残業時間の把握やストレスチェックなどの情報も一元管理でき、従業員の健康をサポートできます。
保健指導については、産業医との面談によりその結果や記録もデータとして残すことができます。
主な機能
- 健康診断計画
- 結果管理
- 結果参照
- 労働基準監督署集計
- データ出力
- レポート出力
- 対象者抽出
- データ化
- 個人データ参照
- 産業医意見書の作成
- ストレスチェック結果報告
- 健康診断結果票
『HM-neo』の料金・プラン
詳細はお問い合わせが必要です。
詳しくは公式HPからご確認ください。
3. 『LifeMark HealthAssist』
富士通が提供する健康管理システムで、社内実施で蓄積してノウハウや情報をもとにシステムを開発、クラウドで管理ができ富士通のデータセンターで運用するのでセキュリティの安心もあります。
『LifeMark HealthAssist』の特徴
組織・従業員のPDCAを相互に回すことで健康経営の実現が可能となります。
従業員がセルフチェックで日々の健康データを把握することで、自動分析によって分析結果が返ってきます。自身の健康状態が可視化されるのでセルフケアを促進させることができます。
産業医とも結果データは共有されるので産業医との面談の際にもスムーズに行えます。
従業員の健康リスクとされるものを改善するとどのような結果が得られるのかをシミュレーションすることも可能なのでPDCAを回すことに特化したこのサービスはまた次のPDCAに繋げることができます。
「朝食を取る従業員が増えると生産性にどれだけプラスの影響があるか」などでシミュレーションを行い、ストレス度の変動や仕事の満足度にどのような影響があるのかを見ることができます。
『LifeMark HealthAssist』の料金・プラン
従業員2,000人規模の場合、初期費用150万円〜、月額費用10万円(従量課金)~となります。
詳しい料金やプランは公式HPからお問い合わせが必要です。
まとめ
健康管理は、ただ単に社員に元気な状態で仕事をして欲しいという理由だけでなく、経産省が推奨している「健康経営」についても意識しなくてはなりません。
戦略的に行う経営投資として、社員の健康状態の把握は欠かせず、離職率の防止や業務効率化を通じて生産性を向上させるメリットもあります。
今現在、離職率が高い企業や健康経営に注力したい企業ではぜひこの際に導入を検討してみてはいかがでしょうか。