勤務時間の集計ができる勤怠管理システム比較!特徴や機能を紹介

働き方改革関連法の施行により、企業は適正に勤務時間を集計管理することが必要となりましたが、Excelやタイムカード等のアナログ対応では、把握できる情報の精度に限界があったり、集計に手間がかかってしまったりする場合が多いでしょう。

本記事では、勤務時間の集計が必要な理由を改めてご説明するとともに、集計機能の観点から、5つの勤怠管理システムの特徴を比較しながらご紹介します。

勤務時間の集計管理が必要な理由とは

まず、なぜ勤務時間の集計管理が必要なのかについてご説明します。

主な理由としては、2019年4月より施行された働き方改革関連法において、「客観的な労働時間の把握」及び「労働関係の書類の3年間保存」が義務づけられていることが挙げられます。

客観的な労働時間の把握

改正労働安全衛生法第66条8の3には、以下のようなことが明記されています。

「事業者は、第66条の8第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。」

厚生労働省の定める方法というのは、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間(ログインからログアウトまでの時間)の記録等の客観的な方法を指します(改正労働安全衛生規則第52条7の3より)。

それまで多く見られた、紙のタイムカードやExcelなどに出退勤時間を書き込むという自己申告形式のやり方では、ミスや不正などにより、実際と異なる勤務時間が報告されやすいという問題がありました。そのため、人間の手によって操作される余地のない、誰の目にも明らかな客観的記録を残すことが必要となったのです。

労働関係の書類の3年間保存

労働基準法第109条には、以下のようなことが明記されています。

「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。」

この条文は働き方改革以前から明記されていましたが、保存義務の対象者には管理監督者や裁量労働制の適用者が含まれていませんでした。そのため、「管理監督者については残業代は関係ないから労働時間は把握しない」といった状態も黙認されていた側面があります。しかし、改正により対象者となったため、管理監督者や裁量労働制の適用者の労働時間を把握・保存することも企業の義務となりました

いずれにせよ、法に則った管理を行うためには、従業員の勤務時間について客観的な記録を記録するとともに、その記録を3年間保存していく必要があり、勤務時間の確実な集計は必須といえるでしょう。 勤怠管理システムでは、ICカードやPC、スマホなどから自分で打刻することができるため、データ改ざんなどの不正が起こりにくく、客観的な記録を残すことが出来ます。また、労働時間に関する情報を集計・保存する機能も備わっているため、管理者が手作業で集計する必要もなく、働き方改革関連法の定める規定を効率的かつ確実に守ることの出来るサービスだと言えます。

ジョブカン

ジョブカンは、最低限の勤怠管理機能が確実に搭載された管理システムで、あらゆる業界に対応が可能です。

出典:ジョブカン

機能や特徴

  • 最低限の機能から始め、状況に応じて欲しい機能のみをカスタマイズできる
  • マニュアル・サポートが充実している
  • 日本語以外の4カ国語に切り替え可能

といった点が特徴的です。

打刻方法は、「ICカード打刻」「指静脈打刻」「PitTouch Pro打刻」「モバイルGPS打刻」「LINE打刻」「Slack打刻」「PC/タブレット打刻」の7種類あり、数が多いだけでなく、さまざまな職場環境、働き方に合わせて用いることが出来ます。

出典:多彩な打刻方法 – No.1勤怠管理・シフト管理システム「ジョブカン」

また、従業員の勤務状況は自動で集計され、集計したデータの出力(ダウンロード)や分析も簡単です。そのため、データの保存も効率的に行えると言えるでしょう。

jinjer

Jinjerは、管理者の負担まで考えられた手厚いサービスが魅力で、勤怠管理のあらゆる機能が基本料金に含まれています

出典:Jinjer

機能や特徴

  • 追加料金なしで全機能利用できる
  • 導入時の丁寧な設定サポート
  • データをリアルタイムで客観的に管理できる

といった点が特徴的です。

打刻は、「スマートフォン」「タブレット」「PC」「ICカード」の4つのデバイスで行えます。スマートフォンやタブレットで打刻する際には打刻時にカメラを起動させることが可能であったり、スマートフォンのGPS機能を用いて打刻した場所を確認することができたりと、不正打刻を防ぐための対策もしっかりしています。

出典:打刻方法|勤怠管理システムjinjer(ジンジャー)

また、残業・休暇も含めて勤務データが自動で集計され、集計したい項目を100項目以上から選択し設定できる柔軟性が特徴的です。出勤簿データは従業員ごと及び所属グループごとに出力可能です。

KING OF TIME

KING OF TIMEは、クラウド勤怠管理システムでは業界シェアNo.1のサービスで、さまざまな働き方に対応することができます。

出典:KING OF TIME

機能や特徴

  • 14種類の豊富な打刻方法
  • 海外拠点の勤怠管理も可能
  • 法改正や利用者の要望を反映させた無料アップロードを年三回実行 

と言った点が特徴的です。

上記したように14種類の豊富な打刻方法を誇り、「パスワード認証(共同PCでクリック打刻)」、「Myレコーダー(各自のPC・タブレット・スマホからWeb端末打刻)」「ICカードリーダー」、「LINEWORKS」、「顔認証」「指紋認証」などを用いて打刻することが出来ます。とりわけ生体認証の機能が豊富で、PCと接続して指紋や指静脈を認証する装置や、顔認証と温度検知を同時に行ってくれる端末などが用意されています

出典:選べる多彩なタイムレコーダー一覧 | 【勤怠管理システム市場シェアNo.1】KING OF TIME(キングオブタイム)

また、タイムカードは自動で集計され、週や月で自由に確認することができ、勤怠データはCSV形式、PDF形式で出力することが出来ます。

マネーフォワードクラウド勤怠

マネーフォワードクラウド勤怠では、マネーフォワードの各サービスと連携して社内の業務全体の効率化を図ることができます。

出典:マネーフォワードクラウド勤怠

機能や特徴

  • マネーフォワード提供の幅広いサービスと連携できる
  • 働き方改革関連の法改正に合わせて自動でアップデートされる
  • 直感的な操作が可能なデザイン

と言った点が特徴的です。

打刻方法としては、主に「ホーム画面からの打刻」「打刻モードでの打刻(1つの端末で複数の従業員が打刻)」「ICカード打刻」の3種類があり、ホーム画面からの打刻はPC及びスマートフォンから可能です。

出典:選べる勤怠打刻方法とシステム | マネーフォワード クラウド勤怠

また、勤怠確認画面にて「勤怠項目別集計」タブをクリックすると、総労働時間などの時間集計を確認することができ、従業員ごとに日々の勤怠表をPDF/CSV出力することも可能です。

IEYASU

IEYASUは、基本的な勤怠管理の機能を完全無料で使うことのできるサービスです。

出典:IEYASU

機能や特徴

  • 勤怠管理に必要な基本機能を完全無料で利用できる
  • レポートツールが充実している
  • 操作画面がシンプルで使いやすい

といった点が特徴的です。

打刻方法は「ブラウザのボタンで打刻(PC・タブレット・スマートフォン)」「ICカード打刻」「Slack打刻」「LINE打刻」「LINE WORKS打刻」「QRコード打刻」の6種類から選べます。

出典:無料のクラウド勤怠管理システム【IEYASU】タイムカードを卒業

また、社員の勤怠情報はグラフや表で分かりやすく可視化され、月次の集計データを従業員別に自由にCSV形式で出力することもできます。ただし、データ保存期間は一年間なので注意が必要です。

各サービス比較ポイント

打刻方法 不正対策 自動集計 データの出力 データ保存期間
ジョブカン 7種類 CSV/PDF/Excel 無制限
jinjer 4種類 XLSX 無制限
KING OF TIME 14種類 CSV/PDF 無制限
マネーフォワードクラウド勤怠 3種類 CSV/PDF 無制限
IEYASU 6種類 CSV 一年間

どのサービスも客観的と言える打刻方法を複数取り入れており、勤怠データは自動で集計されるため、十分に働き方改革関連法の定める規定を守ることが出来ると言えるでしょう。ただし、IEYASUのような無料サービスの場合は、データ保存期間が限られている場合が多いため要確認です。 打刻方法については、外回りが多い営業などの場合はスマートフォンを用いたり、従業員の不正打刻で悩んでいる場合は指紋認証機能のある機器を導入したりと、従業員の勤務形態や企業の状況などに合わせて検討するのが良いでしょう。ICカードリーダーや生体認証装置などは別途料金がかかるので、導入の際は予算も考慮することが大切です。

効率的かつ確実に客観的な記録を取り、勤務時間を集計するためにも、是非勤怠管理システムの導入してみてはいかがでしょうか。

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