新型コロナウイルスの影響で、非対面式の受付への需要が高まるとともに、クラウド型受付システムに注目が集まっています。本記事では、受付システムの概要やメリットをご説明するとともに、5つの受付システムを比較しつつ紹介します。
受付システムとは
受付システムとは、ビジネスチャットやスマホアプリを用いることで、これまで人や内線電話で対応していた受付業務を無人化する仕組みです。 昨今、導入を開始する企業が増えている受付システムですが、メリットとしては以下のようなもとが挙げられます。
- 来訪者にスムーズに対応できる
→ 受付システムでは、来訪者と対応予定の担当者を直接つなげることが出来ます。そのため、 これまでのように、受付スタッフや内線電話を通じてやりとりを行う手間がなくなり、スムーズな対応が可能となります。また、担当者は主にメールやビジネスチャットで通知を受け取ることができるため、電話で業務が中断されるといった煩わしさもありません。
- コストが削減できる
→ 今まで受付担当者が行っていた業務をシステムが行ってくれるため、受付スタッフを常駐させる必要がなくなり、人件費を削減することが出来ます。また、内線電話の工事にかかる時間や費用もなくなるため、その点でもコスト削減が期待されます。空いた人員や費用を別の仕事に投じることで、更なる利益送出を目指すことも可能でしょう。
- 来訪者と受付スタッフとの接触を避けられる
→ 世間でウィズコロナが謳われる昨今、人と人との接触を控えるに越したことはありません。受付システムを導入し、受付業務が無人化されれば、コロナウイルス拡大防止にも繋がります。また、QRコードを受付の端末に読み取らせることで入館できるというシステムも登場しており、この場合、端末の共有を防ぐことになるため、より確実な対策となるでしょう。
- 来訪者情報の管理がしやすい
→ 受付システムを導入すると、受付スタッフがパソコンやメモに情報を残す必要がなくなり、来客者の氏名や来客理由といった受付情報が自動でクラウド上に記録され、一括管理されます。そのため、管理面での手間が省けるほか、予約の重複や予約忘れといったミスも減り、スケジュール管理がスムーズになります。
- セキュリティ対策になる
→ 受付システムでは、直接顔を合わせる前に来客情報を入力してもらうことができるため、セキュリティ対策としても有用となります。また、顔認証を搭載したシステムもあり、より安心して対応することができると言えるでしょう。
- 企業イメージが上がる
→ 受付がスムーズ行われることで、来訪者を待たせることがなくなったり、業務を効率的に行っている印象を持ってもらったりと、企業のイメージアップが期待できるでしょう。また、最新のシステムを導入しているというスタイリッシュな印象にも繋がり、企業の先進性をアピールすることもできます。
このように、経費を削減し、業務を効率化させることが出来る上、コロナ対策としても有用な点が、近年の評価に繋がっていると言えるでしょう。
RECEPTIONIST
RECEPTIONISTは、導入企業4000社・シェアNo.1を誇るシステムで、実際に11年間受付嬢をしていた女性のノウハウを活かされています。
出典:RECEPTIONIST
機能や特徴
- 日程調整から会議室予約・管理、来客受付まで自動化
- さまざまな通知方法
- QRコード受付による完全非接触
といった点が特徴的です。
打ち合わせや商談の前には約10秒で日程調整が完了し、来訪日時、来訪者情報を登録することで、来訪者が利用する受付コードを発行・連絡するとともに、会議室予約やスケジュール登録まで同時に行われます。 また、9種類のビジネスチャットのほか、スマホアプリやSMS通知、着信音通知、メールアドレス宛の通知等も利用可能です。
料金・プラン
「スタンダードプラン」「エンタープライズ」「プレミアム」の3つのプランがあり、どのプランも初期費用はかかりません。10人以下での利用は無料となっていますが、基本的に料金については問い合わせが必要です。
ACALL RECEPTION
ACALL RECEPTIONは、ACALL株式会社が提供する受付システムで、iPadを利用した直感的でシンプルな仕様により、オフィスのデジタル化が可能となります。
機能や特徴
- 二次元コード認証や顔認証による来訪者受付
- 様々な通知方法
- 他ACALLシステムとの連携で機能UP
といった点が特徴的です。
顔認証機能は、受付をスムーズにさせるだけでなく、セキュリティ対策としても魅力的でしょう。また、SlackやLINEWORKSといった6種類のチャットツールのほか、内線電話やFaceTime、メール等を使って連絡することも可能です。 連携可能な他ACALLシステムは全6種類で、入館証をかざすだけでゲート開閉を行う「ACALL GATE」、会議予約時に日時と会議室を同時に予約できる「ACALL MEETING」などがあります。
料金・プラン
「Basic」「Pro」「Unlimited」の3つのプランがあり、「Basic」は0円で利用できますが、「Pro」、「Unlimited」の料金については問い合わせが必要です。
btreception
btreceptionは、非対面でスムーズなゲスト受付・案内を実現するタブレット型の受付システムです。
出典:btreception
機能や特徴
- Slackでの通知
- OutlookやGoogleカレンダーとの連携が可能
- 専用のキー・ゲートとの連携により会議室・ゲートの自動解錠や経路案内が可能
といった点が特徴的です。
OutlookやGoogleカレンダーに予定を登録すると、その際に相手に受付用QRコードがメールされ、当日はQRコード、もしくは来客者情報入力による受付を行うことができます。 また、自動解錠機能によって会議室を含めた建物全体の入退室管理が可能となり、効率的な施設利用が実現されると言えるでしょう。
料金・プラン
初期費用は0円で、月額費用はタブレット端末1台につき3000円~となっています。
Smart at reception
Smart at receptionは、M-SOLUTIONS株式会社が提供する受付システムで、AIを搭載したiPadで受付業務を行うことができます。
機能や特徴
- AIによる音声でのアシストや学習機能
- 内線電話、ビジネスチャット、メールから選べる通知
- QRコード受付が可能
といった点が特徴的です。
AI機能により、受付での音声入力が可能となるほか、使えば使うほど検索精度が向上し、訪問者に合った受付業務が行えるようになります。また、オプションとしてソフトバンク提供の人型ロボット「pepper」との連携も可能なため、より受付の印象を明るくすることもできるでしょう。 連携可能なチャットツールはSlack、LINEWORKSの二種類です。
料金・プラン
Basic(20000円/月)、Premium(30000円/月)、Enterprise(50000円/月)、HD Group(100000円/月~)の4つのプランから選択できます。どの場合も初期費用は0円~となっています。
Welbo
Welboは、株式会社ウェルボが提供する受付システムで、受付ロボットを用いて音声で受付業務を行います。
出典:Welbo
機能や特徴
- 受付ロボットによる顔認証や音声認識
- 受付ロボットを通じて来訪者との通話が可能
- 安心の高セキュリティ
といった点が特徴的です。
無人での受付は時に冷たい印象を与えますが、受付ロボットを用いることで温かさや先進性を演出できます。また、顔認証の際に来訪者の顔が記憶されて次回以降の取り次ぎがスムーズになったり、オプションとして担当者に来訪者の画像がPC通知されたりと、さまざまな機能が搭載されています。 AmazonのAWSデータベースを利用しており、セキュリティ面でも安心できるでしょう。
料金・プラン
初期費用は139000円で、クラウド料金は42000円(1年分は初期費用に含まれる)となっています。
受付システムの比較ポイント
初期費用 | 利用料金 | フリープラン | トライアル | 機能の拡張性 | |
---|---|---|---|---|---|
RECEPTIONIST | 0円 | 要問い合わせ | あり (10名以下) |
あり |
○ |
ACALL RECEPTION | 要問い合わせ | 要問い合わせ | あり (一部機能のみ) |
あり |
○ |
btreception | 0円 | 1台につき3000円~/月 | なし | なし |
△ |
Smart at reception | 0円 | 20000円~/月 | なし | 要問い合わせ |
◎ |
Welbo | 139000円 | 42000円/年 | なし | 要問い合わせ |
△ |
新しい機器を導入する必要があったり、多機能・高機能であったりするシステムは比較的費用が高くなりますが、逆に料金は安いものの機能面で満足できないという場合もあるでしょう。機能に関して言えば、企業の規模やフェーズに合わせて機能を拡張していけるかどうかも大切になります。
また、通知の受け取りツールや操作性、セキュリティ、iPadタイプかロボットタイプかといったことも重要な比較ポイントです。例えばiPadタイプの場合、受付を簡単且つシンプルにすることができ、ロボットタイプの場合、その存在感や顔認証機能などにより企業アピールに繋がるといったように、自社がどのような機能を必要としているかをしっかりと見極める必要があります。 トライアルが用意されているサービスもあるため、一度試してから正式に導入してみてもよいかもしれません。
自社に合ったサービスをしっかり検討し、より一層業務の効率化を図りましょう。