新型コロナウィルスの影響で、働くスタイルやオフィスのあり方を考え直す企業が増えてきています。
このコロナ禍でテレワークが浸透し、完全にフルリモートに切り替えてオフィスを解約する企業も出てきました。
こうした中で昨今注目されているのが、「VRオフィス」や「バーチャルオフィス」です。
VRオフィスはテレビやニュースなどで聞き馴染みがあっても、「VRオフィスって実際どうなんだろう」と思っている方や、まだVRオフィスを利用したことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、VRオフィスの特徴やメリットをわかりやすく解説するとともに、5つの主なVRオフィスのツールに関して最新情報をお伝えします。
VRオフィスとは
VRとは「Virtual Reality」の略語で、「仮想現実」のことを指します。
VRオフィスとは、オンライン上にある仮想空間のオフィスのことです。
これまでは社員が現実世界にあるオフィスに出社して仕事をするのが当たり前でしたが、VRオフィスでは、社員がオンライン上にある仮想空間のオフィスに出勤をして仕事をします。
リモートワークの場合、社員は各々自宅などで仕事をし、実質同じ空間で働くことができませんでした。
しかしVRオフィスを導入すれば、社員がインターネット上に設けられた仮想空間のオフィスに行って、あたかも同じ空間で一緒に働いているかのような環境を作ることができます。
VRオフィスの基本機能
VRオフィスの基本的な機能として、社員全員が自分の分身となるアバターを作成することができます。そのアバターを用いながら、社員同士がチャットやWeb会議を通じてコミュニケーションを取ることができます。
またVRオフィスの中は、現実のオフィスと同じくデスクや会議室、休憩スペースなどが設けられており、ツールによってはオフィス内のレイアウトを自由に変更することもできます。
そして社員自身のアバターを座席や会議室へ移動させたり、自分のステータス(会議中、休憩中など)を表示させることもできます。
VRオフィスを活用することで、社員のリアルタイムでの仕事状況や出退勤などを把握・管理することも実現可能です。
テレワークをしていても自分の上司や部下がどんな状況であるのかがすぐさま把握できるので、自分の部下が会議に追われて大変そうな時はフォローや声がけをしてあげたり、適切なタイミングを見計らって忙しい上司へ相談することもできます。
VRオフィスのメリット
メリット1.オフィス賃料のコスト削減
新型コロナウィルスの影響で、テレワークへと切り替わり、ここしばらくの間は自社オフィスへほとんど足を運んでいない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
企業にとってオフィスの賃料は、最も大きな割合を占める固定費となります。
多くの社員が通いやすいアクセス良好の立地にあるオフィスを借りたり、都心や地方に複数のオフィスや事務所を構えたりする場合、毎月莫大な費用を支払っています。
そこで自社オフィスを解約・縮小して、VRオフィスをうまく活用することで、これまで負担していた高額なオフィス賃料といった経費を削減することができます。
メリット2.場所にとらわれずに自由に働ける環境
VRオフィスは物理的な移動を伴わないため、通勤準備や移動時間の短縮、交通費の削減ができます。
またVRオフィスであれば、地方や海外に在住している方でもネット環境さえあれば簡単にアクセスができ、仮想空間上のオフィスで一緒に仕事ができます。
これまでの働き方には、大半の企業がリアルのオフィスに出社することを前提としていたため、地方や海外在住の方で求人応募に興味はあっても断念せざるを得ないというケースもありました。
しかし企業の中でVRオフィスを導入すれば、地方や海外などの遠隔地に住む方も難なく一緒に働くことができ、幅広い範囲でより優秀な人材を獲得するチャンスが増えます。
メリット3.コミュニケーションの活発化
リモートワークにおいて、オンライン会議やチャットツールのみで社員同士がコミュニケーションを取ることは可能です。
ただこれらのツール上でのコミュニケーションは必要最低限な情報共有だけで完結してしまうことが多く、社員同士での雑談や気軽にちょっとした相談がなかなかしづらいといった意見もあります。
そこでVRオフィスを導入することで、社員同士が同じ仮想空間に集まって、あたかもリアルに会話しているような感覚で、アバターを使いながらコミュニケーションを取ることができます。
また、社員一人一人の仕事状況をリアルタイムで確認できるので、自分の上司や部下の状況を把握しつつ、タイミングを見て上司や同僚に相談ができたり、時には休憩時間にメンバーと雑談をしたりすることもでき、社内コミュニケーションがより活発化するでしょう。
VRオフィスツールの比較5選
oVice
出典:『oVice』
oViceは、リアルのオフィス空間で話しているような感覚で気軽にコミュニケーションが取れる、VRオフィスツールです。
特徴・機能
主な特徴・機能は以下の3点です。
- アバター同士が近づくことで簡単に会話が始まる
- 会話中に画面共有やカメラ起動も可能
- 個室に入ってプライベートな会話ができる
oViceは、自分のアバターをオンライン上のオフィス空間で自由に移動させ、相手のアバターに近づけることで簡単に声を掛けられます。
またアバターの距離に応じて声のボリュームが変化する仕組みになっており、まるでリアルのオフィスで話しているような感覚でコミュニケーションを楽しむことができます。
雑談中のグループに聞き耳を立てて、アバターを近づけて途中から気軽に話に参加するといったことも可能です。
さらに会話中に詳しい内容を共有したい場合は、画面共有機能やカメラONにして説明することもできます。
プライベートな話やあまり周りに聞かれたくない話をする場合は、個室空間の会議室に入って会話ができます。
料金・プラン
- Basic:5,000円/月(20名まで)
- Standard:20,000円/月(50名まで)
- Organization:50,000円/月(150名まで)
上記価格は税抜き価格です。
初期費用は無料で、どのプランでも機能や利用時間に制限はありません。
14日間の無料トライアルをお試しいただけます。
Oasis
出典:『Oasis』
Oasisは、withコロナ時代の人材オンボーディングを支援するVRオフィスツールです。
特徴・機能
主な特徴・機能は以下の3点です。
- 執務室・フリースペース・集中ルームなどが設置
- 1on1の相談や複数名でのトーク申請が簡単に可能
- オンボーディングを支援
Oasisは、オンライン上のバーチャルスペースで、社員メンバーのステータスを把握しコミュニケーションを取りながら、まるで実際のオフィスにいるかのような近い距離感で一緒に仕事をすることが可能です。
VRオフィス内には、執務室・フリースペース・集中ルームなどが設けられており、状況に応じて自由に利用することが可能です。
また相手のステータスを見ながら、個別で相談したい場合は1on1の相談、メンバー複数名で会話したい時はトーク申請をして、簡単に会話を始めることができます。
さらにOasisでは、フロア上に困ったことがすぐに相談できる、人事・経理・ITサポートなどのサポートデスクを設定できます。
新卒や中途入社で新しく入ってきた社員にも安心して利用できるような仕組みが整っています。
料金・プラン
- 初期費用:33,000円~132,000円
- 月額利用費:18,000円~120,000円
初期費用はフロア数に応じて異なります。
月額利用費はご利用人数とカメラ通信あり・なしで異なります。
2週間の無料トライアルをお試しいただけます。
FAM office
出典:『FAM office』
FAM officeは、富士ソフト株式会社が開発し、社内のつながりや信頼関係を醸成するVRオフィスツールです。
特徴・機能
主な特徴・機能は以下の3点です。
- 1フロア最大150人まで収容可能
- 急なMTGも準備不要で簡単に設定可能
- メンバーのステータスを一目で確認
FAM officeは、1フロア最大150名まで収容可能なVRオフィス空間です。
企業規模に応じてフロアを追加することができ、各フロア移動も簡単に操作可能です。
急遽MTGを行いたい時など、最大12名までであればアバターを会議室に着席させるだけで、簡単にビデオ会議を始めることができ、参加できます。
ZoomやTeamsのように会議URLを送る手間が省けるのも利点の一つです。
また、フロア内にいる社員メンバーのステータスも一目で分かり、自分の上司、部下の状況がすぐに確認できます。予定表ではわからない「電話中」や「休憩中」などの相手のステータスをすぐさま把握できます。
料金・プラン
- 初期費用:100,000円
- 基本ライセンス費用:月額300円/1ユーザー
上記価格は、税抜き価格です。
無料トライアルもご利用いただけます。
RISA
出典:『RISA』
RISAは、ユニークな2Dアバターを活用して社内コミュニケーションを楽しめるVRオフィスツールです。
特徴・機能
主な特徴・機能は以下の3点です。
- アバターやフロアの自由なカスタマイズが可能
- 最大4画面までの画面共有が可能
- 外部のゲスト招待機能が搭載
RISAは、アバターやフロアの模様やエリアなどを自由にカスタマイズすることが可能です。アバターは数十種類の中から好みのものやその日の気分に応じて自由に選ぶことができます。アバターやモーション(喜怒哀楽などの表現)は他のVRオフィスツールと比べてユニークです。
ビデオ通話や同時画面共有機能でスムーズにその場でMTGを始めることができます。
またURLを共有するだけで、外部ゲストを招待できる機能も搭載されております。招待された外部ユーザーは、本登録をせずに名前を入力するだけで簡単にアクセスができ、指定したフロア内でコミュニケーションを取ることができます。
料金・プラン
- スモールフロア:10,000円/月 (20名まで)
- スタンダードフロア:30,000円/月 (50名まで)
- ラージフロア:50,000円/月 (100名まで)
初期費用は発生いたしません。
2週間の無料トライアルをお試しいただけます。
Sococo
出典:『Sococo』
Sococoは、テレワークのコンサルティング会社が提供する、テレワーク時のコミュニケーション課題を解決するVRオフィスツールです。
特徴・機能
- ハイブリッド型ワークスタイルにも最適
- オフィスレイアウトが豊富
- 自社で使い慣れたWeb会議ツールと連携可能
Sococoは、バーチャル空間上に自社ビルを設けることができます。
リアルのオフィスと同じようなフロアを再現することもできますし、リアルのオフィスに足りていない会議室専用フロアのみ設置することも可能です。後から必要に応じてフロアの拡張ができるので、ハイブリット型ワーク(オフィス勤務×テレワーク)を導入している企業でも利用がしやすいです。
また、オフィスレイアウトが約200種類以上あります。社内研修といったイベント利用などにも適した豊富なレイアウトが揃っており、その場に応じて好きなレイアウトを選んでご利用いただけます。
さらに、ZoomやTeams、WebexなどのWeb会議ツールとの連携が可能です。専用の会議URLの発行は不要で、自分のアイコンを会議室に移動させることで簡単に会議に出席ができます。
料金・プラン
ご利用料金は、月額25,000円(10名利用)からとなります。詳細はお問合せください。
2週間の無料トライアルをお試しいただけます。
まとめ
新型コロナウィルスの感染防止や働き方改革の促進の影響でリモートワークが普及しつつある近年、VRオフィスは今後さらに活用する企業が増えていくことが予想されます。
働き方の多様化が進む現代において、VRオフィスをニューノーマルな働き方の選択肢の一つとして導入を検討してみてはいかがでしょうか。